アルバム全体を支配するのがモトリー・クルーの傑作アルバム「Dr. Feelgood」の流れを受け継ぐような勢いのあるロックで、それにスティーヴ・スティーヴンスのメカニカルなギターサウンドが冴え渡るという感じです。特にリードナンバーの「1. Look In Her Eyes」や「9.You're Invited」あたりはそれを強く感じます。
その一方で「3. Can't Have your Cake」や「4. Fine, Fine Wine」あたりは、いわゆるモトリーっぽい曲と言えます。また「Time For Change」 を彷彿とさせる「6. Can't Change Me」や「11.Forever」などのバラードや新境地を開いたと言える「8. Living Is A Luxury」など、ヴィンスとスティーブの良いところがうまく融合したと言える作品かもしれません。
1. Pandemonium 2. I.N.V.U. 3. Little Drops of Heaven 4. One World One Truth 5. Final Day of Innocence 6. Cielo Drive 7. It Comes At Night 8. Old Enough To Know 9. Beautiful Madness 10. Breathless 11. It Comes At Night
デンマークのベテランバンド、プリティ・メイズの2010年発表の最新作。2006年のWake Up To The Real World 以来、4年ぶりの新作となります。グループロゴも初期のものに戻したようで、原点回帰の意思の表れでしょうか。
1. Pandemoniumの展開は、まさにPretty Maidsという展開で、ある意味お約束なんですが、壮大なナンバーに仕上がっています。そしてファーストシングルの 3. Little Drops of Heaven は彼ららしいメロディアスなナンバー、そして疾走する4. One World One Truthと続くように、彼らの魅力が十分に発揮されていると思います。
元レインボーのグラハム・ボネットを迎えて制作した「Assault Attack」はまぎれもない名盤だと思うのですが、残念ながらグラハム、そしてコージー・パウエルとの作品はこれ一作で終わり。彼らが相次いで脱退した後、ゲイリー・バーデンを再び迎えて、1983年に制作された「Built To Destroy」。それに伴い、1983年ロンドンのハマースミス・オデオンで開かれたライブの模様を収めたライブアルバムです。
個人的にはテープ(!)が擦り切れるほど聴いたアルバムですが、特に1~3曲目までの流れは完璧すぎ。曲の完成度はもちろんですが、ライブ感もばっちりで、一気にアルバムに引き込まれます。そしてマイケルの兄である、スコーピオンズのルドルフ・シェンカーと同じくスコーピオンズのクラウス・マイネを迎えてのUFOの名曲、「Doctor Doctor」は背筋がゾクゾクするほどの完成度ですが、残念なのは、やや中だるみがあること。オリジナル盤は曲数が少ないだけに、そのままの勢いで最後まで行ってほしかったかな。Armed And Readyあたりが入っていれば良かったかもしれません。(リマスター盤には入っているようですね。)
1. I Can't Drive 55 2. Swept Away 3. Rocks Is In My Blood 4. Two Sides Of Love 5. Dick In The Dirt 6. VOA 7. Don't Make Me Wait 8. Burnin' Down The City
Mr. Redことサミー・ヘイガーの1984年、Van Halen加入直前の作品。
別名ヴォイス・オブ・アメリカと呼ばれるだけあり、直球一直線の熱~~いロックがこの作品では展開されています。キャピタル時代は乾いたアメリカンロックを聴かせてくれていたサミーですが、ゲフィンに移籍後はハードドライヴィングなロックに移行し、この作品でもしっかりとそれが踏襲されています。いや、全2作(「Standing Hampton」や「Three Rock Box」)よりもさらにハードさが増しているのは、この作品の前のニール・ショーンとのプロジェクト「HASA」の影響も強いのでしょう。
いずれにしても「There's Only One To Rock」とならんで彼の代表曲とも言える「I Can't Drive 55」や「VOA」で聴かれる、思い切りアメリカを意識させてくれるハードロック、さわやかな「Two Side of Love」「Don't Make Me Wait」など捨て曲無しの作品に仕上がっています。
1. Hungry 2. Lonely Nights 3. Don't Give Up 4. Sweet Little Loving 5. Lady of the Valley 6. Wait 7. All You Need Is Rock N Roll 8. Tell Me 9. All Join Our Hands 10. When the Children Cry
そんな彼とヴォーカルのマイク・トランプが作り出した曲はメロディーが非常に美しく、この2作目で音楽的にも商業的にもピークを迎えます。彼らが作った全4作のうち、完成度は断然本作が一番上で、実際にチャート的にもアルバムが全米11位、シングルでは「Wait」が全米8位、「When The Children Cry」が3位の大ヒットを記録します。
ただ、その後は本作の呪縛から逃れることができず、失速・消滅していきました。その後、マイク・トランプは「White Lion」の再結成を何度か画策したようですが、ギターのヴィト・ブラッタの不参加、それに伴う名称使用の権利などから「Tramp's White Lion」という名前で活動をしているようです。
その代表格の"Heaven tonight"なんて、これまでの(というか、この後の作品も含めて)インギーの作品では決して聴かれない作品でしょう。それ以外にも"Rising Force""Deja Vu""Dreaming""Crystal Ball""Now Is The Time"など、ジョーが参加したからこその、耳のこりのいい曲の数々は、やはり「ソウルメイト」だったジョーの功績でしょうか。
最新作「Sting In The Tail」をもって解散すると宣言したスコーピオンズ。そのスコーピオンズが1988年に発表した作品です。長いワールドツアーの終了後、前作から4年を経て発表されました。そして1988年にアメリカで行われた「Monsers of Rock」にも参加した(Van Halenがヘッドライナー、なんとこの頃はまだメタリカがセカンドアクトでドッケンの前でした。)頃です。