硬岩乃讌

これまで○十年間にわたって収集してきたCD/レコードのレビューを、個人的な感想丸出しでしていきます。勢いだけで作ったブログだけに、その勢いがいつまで続くか…。

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Assault Attack (邦題 黙示録) -- The Michael Schenker Group

最近、突然グラハムボネットの歌が聴きたくなって、ぶち当たったのがこのアルバム。ということで、マイケル・シェンカーというよりもむしろグラハムボネットのレビューです。グラハムボネットのあんまりな人生ぶりを追いつつ、レビューしたいかと思います。

基本的にマイケル・シェンカーのアルバムってあんまり聴いてことが無い(Rock Will Never Dieぐらいかな、真剣に聴いたのは)んですが、こいつも当時はあんまり聴き込んだ覚えはありません。

当初はボネットさん、ポップ歌手をしており、オーストラリアなどではゴールドディスクを獲得するくらいのヒットを出したりもしました。ただ、その活動の中でヒット曲を出してしまったがためにあるお人に見出されてしまいます。「元祖、俺が気に入らなきゃダメなんだよ」リッチー・ブラックモア様です。

当時、ロニー・ジェイムス・ディオが脱退したレインボー、ボーカリスト探しが難航していました。ボネットさんも候補に上がっていたのですが、リッチーは最初から気に入らなかったそうです。リッチー好みのボーカリストはジョー・リン・ターナーやデビッド・カヴァデールのような深い声の持ち主で、イアン・ギランやグレン・ヒューズのようなシャウト型は好みではないのです。リッチーはデモテープを聴いて一言「声が高すぎる」といったそうです。

ただ、実際ボーカリスト探しも難航していたので、結局ボネットさんが2代目レインボーのボーカリストの座に座ることに。これが彼の人生を大きく変えることとは知らずに。今思えば、ポップ歌手をやっていたほうがどれだけ幸せだったことか。

とにかく、こうして作られたのがRAINBOWの5thアルバム「DOWN TO EARTH」です。これがロニー在籍時の前4作とうって変わって、言ってしまえばポップでキャッチーな仕上がりです。ところが、ラスバラードの「Since you've been gone」のヒットもあり、あれよあれよという間に大ヒット。一躍ボネットさんの名前が知れ渡っていきます。また、このレインボー在籍時に盟友コージー「渡り鳥」パウエルと知り合います。

ところが大ヒットしたのもつかの間、盟友コージーがレインボーを脱退。そして、もともとボネットさんが気に入らないリッチー様とも当然のごとく問題が起こります。とくに、ボネットさんの「ピンクのジャケットにリーゼント、レイバンのサングラス」というHR/HMのボーカリストにあるまじきステージ衣装が気に入らないらしく、ボネットさんの衣装を全て捨てるという暴挙にでたこともあったそうで、結局レインボーを脱退というか、クビになります。

その後、ソロアルバムをヒットさせたりしていたボネットさん。日本でもヒデキが「孤独のナイトゲーム」っていう題でカバーしてましたので、ご存知の方も多いのではないかと思いますが、そのボネットさんをまた、泥沼に引きずり込んでくれたのが一足先にレインボーを脱退してマイケルシェンカーグループに参加していた盟友コージー。彼の誘いでマイケルシェンカーグループに参加して作られたのがこの「Assault Attack」 です。

"Assault Attack"

assault attack


1. Assault Attack
2. Rock You to the Ground
3. Dancer
4. SAMURAI
5. Desert Song
6. Broken Promises
7. Searching For a Reason
8. Ulser


というわけで、やっと本編のAssault Attackです。これがほんとにアルバム全体に"異常なまでの緊張感"が漂っていて、背筋ゾクゾクものです。よくボネットさんのボーカルは「青筋ボーカル」などと言われますが、実はレインボー時代は意外とシャウトしていないように思いますが、「青筋ボーカル」はこのアルバムから、ってのが私の見解。っでレビューですが、

1. Assault Attack--マイケルの重厚なリフから始まるタイトルナンバー。そこからつながるまさしく「青筋ボーカル」。演奏もすげータイトでかっこよすぎです。

2. Rock You to the Ground--ミドルテンポのヘビーロック。ホントのHR/HMファンはこういう曲がすきなんだろうけど、私はパス。

3. Dancer--っで、問題のDancer。私はこの曲を聞くためにこのアルバムを聞き始めました。何でこんなすげー曲が作れるんだ、ってな感じです。もちろんポップ好みの私にびんびん来るアレンジで、実際(歌詞も含めて)ポップな曲なんですが、こういう歌を歌わせるとボネットさんってやはりうまいと思うし、イントロのリフ、ギターソロもマイケルのフレーズバリバリでもうサイコー。この曲の良さが分からないやつは、問題外の外ってやつです。

4. SAMURAI--これもミドルテンポのナンバーですが、マイケルのリフが曲を引き締めてくれています。リフ自体は普通だと思うんだけど、音が違うんだろうね、きっと。あんまりよくわからないけど。

5. Desert Song--これも大問題の曲。押さえ気味のイントロからこれも押さえ気味のボネットさんのボーカルが曲の印象を支配していきます。問題はマイケルのギターソロ。ギターソロ聴いて、鳥肌がたったの久しぶりですよ。聴いてて鳥肌どころか髪の毛が逆立つのが分かるんだもの。こればっかりは感覚のもので説明しようが無いんだけど、ゲーリームーアのギターが人の感情を揺さぶるソロなら、マイケルのギターは人の神経に直接突き刺さるような鋭いソロ、とでも言えばいいんでしょうか。”神”だったころのマイケルのすごさが感じられるギターソロは必聴もの。
(訂正)ソロと書きましたが、エンディングでした。まあ、エンディング部のソロ(笑)ですか。
(加筆)っで、このマイケルのギターのすごさなんですが、あんまり詳しくは分からないんですが、タメにあるのではないかという気がしています。特に3連譜の時に1/8とか1/16のタメがはいる(ような気がする)んですよ。そのタメが日本人の演歌のワビサビと同じで心にズンと来るのではないかなあと、なんとなく思ったりしています。

6. Broken Promises--こういう曲を聴くとボネットさんのボーカルのすごさがわかります。抑えるんじゃなくて、地声で歌う曲の場合は音の不安定さが耳についたりするんですが、パワーに任せて歌う曲はぴたりとはまります。なんか、ボーカリストとしては致命的な指摘なような気もしますが・・・。

7. Searching For a Reason--まあ、可もなく不可もなく。

8. Ulser--ほんとだったら、7.Searching For a Reasonで終わってほしかった。マイケルにこんなジョー・サトリアーニの「サマーソング」みたいなインストはいりません。いや、曲自体は悪くないんですが、7.Searching For a Reasonの後でテンション下がった後じゃあ、ちょっとね、って感じです。繰り返しますが曲自体は悪くないとは思います。でも、やっぱりマイケルには「Into The Arena」みたいな緊張感が張り詰めたインストを期待するのですが。

この頃のマイケルは精神的に最悪な状態だったようで、充実しているとは言いがたい状態だったようです。まあ、その分、鬼気迫る出来になったといったほうがいいかもしれません。

ボネットさんの前任ボーカリストがあのゲイリー・バーデンだけに「ボーカルなんてどうでもいいジャン、俺が気持ちよくギター弾ければ」感全開のマイケルですが、このAssault Attackはボーカルも前面に出て、ある意味バンドとしてのテンションが非常に高いアルバムです。

ところが、これだけすげーアルバムを作ったにもかかわらず、やはりコージーはツアーを待たずしてMSGを脱退。そして、ボネットさんもマイケルのあまりの狂人ぶりにブチ切れたらしく、結局すでに脱退していたこージーの後を追うようにMSGを脱退してしまいました。

しかし、これだけのアルバムを作ったこのメンバーでもうしばらく活動したらと思うと・・・。もったいねー。

というわけで、ギターヒーローのわがままには懲りたはずのボネットさん、この後も受難の日々を送りますが、詳しくは後の機会として、さらっと片付けましょう。

ギターヒーローに懲りたボネットさん、自分のバンド「アルカトラス」を結成します。そのギターに若干19歳のスウェーデン出身のイングヴェイ・マルムスティーンを起用します。思い切りギターヒーローです。そのインギー様、アルカトラス合流前は「Steeler」っていうバンドでロン・キールとやってたんですが、彼をして「イングヴェイともう関わらなくてもいいと思うとほっとするよ」と言わしめたほどの人間的にクソの逸材。

できたアルバムは最高(いつかレビューします)なんですが、すぐ脱退。

次にボネット様が目をつけたのは天才スティーブ・ヴァイ。彼を擁して2ndアルバムを作りますが、そぐにデイブ・リー・ロスに彼を引き抜かれます。

ほんとうにギターヒーローには懲りたか、全く地味なダニー・ジョンソンを迎えて3rdアルバムを作りますが泣かず飛ばずで結局バンドは消滅。

次に参加したのが、超高速速弾きのクリス・インペリテル率いるインペリテル。やはりギターヒーローです。来日した時のテレビ出演(今は亡きPure Rock)での痛々しいほどのはしゃぎぶりを置き土産に、予想通りアルバム一枚で脱退。

その後盟友コージーのプロジェクトに参加したり、日本のHMバンドアンセムとジョイントしたりしながら、現在再びクリス・インペリテリと活動しているとのことです。

駆け足でボネットさんの軌跡を追ってみましたが、これまでボネットさんと組んだミュージシャンが口をそろえて言うこと。

「奴は曲が書けない」です。

これはミュージシャンとしては致命的な気もしますが、そんな彼の曲の書けなさを証明する名曲、アルカトラスの3rdアルバム「Dangerous Games」に収録されている「Ohayo Tokyo」の歌詞の一部を紹介しましよう。手元に歌詞データが無いですので、英語が怪しいところはご容赦を。


Jet from America
Touch down in Tokyo
Taxi meet you at arrival sign
(加筆、日本語訳)
飛行機でアメリカから日本にやってくると、タクシーが降り口のところで待っていた。

僕はこの歌詞を聴いて身震いしました。

 

小学生が作った作文かと思いました。

 

よくミュージシャンはケミストリーという言葉を使います。人と人の組み合わせが特別な力を生み出します。僕はボネットさんに特別なケミストリーを感じずにはいられません。ほんとうだったらどっぷり様式美につかりこむ「リッチー」「マイケル」「インギー」「クリス」といった面々と渡り合って、ポップな感覚を染め付けるのはボネットさんだからこそのケミストリーだと思います。

ということで、ボネットさんが更なる名曲を生み出してくれることを切に願ってこの項は終わりにしたいと思います。

 

あとお願いですから、作文の力ももう少し身につけてください。



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